電動車いす 安全利用の手引【電動車いす安全普及協会】

電動車いす安全普及協会は、シニアカー・セニアカーなどの「ハンドル型電動車いす」とジョイスティックで操作する「電動車いす」が対象の「電動車いす 安全利用の手引」の掲載を行いました。
どなたでも閲覧でき、パソコンやスマートフォン・タブレットなどにダウンロードしたり印刷などすることも可能です。

シニアカー・セニアカー・電動車いすなどを安全に利用するためにもご一読下さい。

 

電動車いす 安全利用の手引

手引の内容を要約してご案内させていただきます。
手引は5項目で構成されています。

歩行者としての交通ルールやマナーを守りましょう
通行時の注意点
電動車いすの正しい取り扱いについて-1
電動車いすの正しい取り扱いについて-2
事故事例

 

それぞれ簡単に要約して説明させていただきます。

歩行者としての交通ルールやマナーを守りましょう

道路上で通行できる場所
イラスト入りですので、非常にわかりやすく説明されています。
シニアカー・セニアカー・電動車いすは、歩行者扱いのため歩道を走行できます。
歩道がある道路ではどこを通行すればよいのか。
歩道がない場合ではどのように通行すればよいのか。
また、道路などを通行する場合、気をつけなければならないことも掲載されています。

道路標識を守りましょう
原動機付自転車運転免許や自動車運転免許や自動二輪運転免許などをお持ちの方には馴染み深い道路標識について、シニアカー・セニアカー・電動車いすご利用者の方が知っておきたい道路標識について掲載されています。
特に歩行者関係に関する標識が詳しく解説されています。

 

通行時の注意点

道路を真っ直ぐに通行することはそれほど大きな問題もなく周りに気をつけて通行するわけですが、特に道路を横断する場合の注意点が書かれています。
横断歩道と信号機がある場合、どのように利用すればよいのか。
横断歩道があり歩行者用信号機のある場所ではどうするのか。
横断歩道があるが、信号機がない場所ではどのようにするか。
横断歩道がないような場合、どのような渡り方をするのか。また注意点は?
見通しの悪い道路を横断する際の注意点などがイラスト付きで掲載されています。

 

電動車いすの正しい取り扱いについて-1

点検をしてください。
日常点検と定期点検についてイラスト入りで書かれています。
・バックミラーの調整
背中が背もたれに付くぐらい深く座り、肘掛けに肘をおくのが正しい姿勢です。
この状態で後方がよく見えるように調整しましょう。
・バッテリーの残量に注意
途中でバッテリーが切れることのないように、利用前には必ず確認しましょう。
・各スイッチの確認
電源スイッチが入るかどうか、そして切れるかどうかのチェックを行います。
前進後進切り替えスイッチや速度切替ノブなどの動作確認を行いましょう。
ただし、必ず平坦な場所で停止した状態で確認します。
・アクセルとブレーキの確認
アクセルレバーが正しく効いていて発信ができるかどうか。
アクセルレバーを離すとブレーキが効いているかを確認します。
これらも安全な場所で必ず行います。
・転倒防止バーや補助輪の確認
転倒防止バーや補助輪が着いている車種の場合、きちんと動作するかを確認します。

 

動作について
・乗車時
シニアカー・セニアカー・電動車いすを安全な場所に止まっていることを確認、また電源スイッチが「切」になっているか確認して乗車します。
・停止時
停止時には、アクセルレバーなどをゆっくりと離し、完全に止まった状態になっているのを確認します。
また、安全な場所で止まるようにします。
・降車時
降車時には、必ず電源スイッチがを「切」にしたのを確認してから、ゆっくりとシニアカー・セニアカー・電動車いすから降りるようにします。
また、交通量の激しい場所では降りる側の通行者や車などにも気をつけましょう。

 

電動車いすの正しい取り扱いについて-2

運転について
服装について
運転がしやすく周囲から目に付きやすい明るめの服装にしましょう。
車輪などの巻き付くような服装は避けます。
運転中について
周囲の安全確認を行いながら運転します。
後ろの確認はバックミラーだけでは確認できない部分もありますので気をつけましょう。
初めての場合
操作や速度になれるために、広くて安全な場所で練習して下さい。
初めて道路に出る場合
介助者などに同行してもらい、交通ルールなどを確認しながら通行するようにしましょう。

や事故を防ぐために
踏切
踏切はできるだけ避けてください。やむを得ず渡る場合には介助者に同行してもらうようにしましょう。
特に脱輪や線路の溝にタイヤが挟まらないようにできるだけ直角に渡って下さい。
立ち往生してしまった場合には、慌てず人の協力を得て非常ボタンを押してもらい、直ちに踏切内から脱出して下さい。
運転中や停止中でも身体を乗り出さない
道路のものを拾ったりする場合には、バランスを崩す可能性があります。
できるだけシニアカー・セニアカー・電動車いすから降りて物を拾ったりしましょう。
坂道の運転
10℃を超えるような坂道は避けてください。
急ハンドルをさけ安全な速度にして運転します。できるだけ坂道に対してまっすぐ通行します。
内輪差
曲がるときには後輪のほうがさらに内側を通りますので、縁石や道路の角などに注意しましょう。
段差
大きな段差は避けるようにしましょう。点灯する可能性があります。
車種により乗り越え可能な段差の高さがありますので、確認しておきます。
また、乗り越え可能な段差の場合も、できるだけまっすぐ通り抜けるようにします。
傾斜
急な傾斜になっているような斜めの道路を渡るのは避けましょう。
傾斜角度も車種により違いますので説明書などで確認しましょうあ。
通行する際には、しっかりとハンドルを持って傾斜の高い方へ体の重心をかけながら点灯しないように気をつけます。

二人乗り・牽引
二人乗りや牽引はしないでください。
また、ペットの散歩などもやめましょう。
夜間の運転
シニアーセニアカーにはライトも付いている車種が多いですが、できるだけ避けるようにしましょう。
雨天の運転
前方確認がしづらくなることがありますし、運転に支障をきたすような大雨での利用は避けましょう。

体調・飲酒
体調が悪いときや飲酒時には運転をやめましょう。
また、夏場など気温が高くなるときには熱中症に注意しましょう。
携帯電話
運転中は携帯電話を使用しないようにします。
使用する場合には、必ず停車してシニアカー・セニアカー・電動車いすの電源を切った状態で携帯電話などをご利用下さい。

商業施設利用時
商業施設によりシニアカー・セニアカー・電動車いすの利用が可能かどうか違います。
かならず利用する前に確認をしましょう。
自動ドア通過時は周りの人やドアの動きに特に注意しましょう。
通行は速度を一番低くし、通行者などと接触しないよう注意しましょう。
駐車場内では他の車の動きに注意しましょう。
シニアカー・セニアカー・電動車いすに乗っていると運転者から見つけてもらいづらいかもしれません。
その他、病院などの医療施設の場合、利用者がすぐにシニアカー・セニアカー・電動車いすを避けることができないことが多く医療施設内への立ち入りが禁止されている場合があります。
医療施設内へ入る際には、指示に従い手押し車椅子などに乗り換えるなどしましょう。

公共交通機関利用時
各公共交通機関の電車やバスに乗り入れすることが可能な場合があります。
事前に各交通機関へ問い合わせしましょう。
利用の際には、定められた乗口から乗車し、定められた場所へ必ず電源を切って停車して下さい。

事故事例

道路横断事故
道路を横断する時に気をつけることが書かれています。
踏切事故
踏切を横断する時に気をつけることが書かれています。
転落事故
道路の側道や土手などを通行する時に気をつけることが書かれています。
歩行者と接触
商業施設内での通行時に気をつけることが書かれています。

上記が事故事例として取り上げられています。
運転者自身が事故を起こさないためにも、運転される家族が事故を起こさないためにも一読しておきましょう。

 

 

上記は要約ですが、電動車いす安全普及協会のホームページ(https://www.den-ankyo.org/)では、
「電動車いす安全利用の手引」を無料閲覧できるようにしてくださっています。

「電動車いす安全利用の手引」は、
https://www.den-ankyo.org/guidance/safety.html
から、ご覧いただくことが可能です。

手引書は、必要な部分のみ閲覧やダウンロードできるようになっております。
閲覧方法は、パソコンやスマートフォンなどでPDFファイルを読み取れるようになっている必要があります。

正しい知識を身につけて、安全なシニアカー・セニアカー・電動車いすの利用を心がけて下さい。
利用者はもちろん、介助者なども一読なされて、どのようなことが危険になるのかを把握しておきましょう。

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